打撲創(挫滅創)

Ⅰ.打撲創(挫滅創)とはどんなキズ?
強い力で皮膚が圧迫されることでできます。腫れ(腫脹)やあおあざ(皮下出血斑)を伴います。切り傷とは違って、強い力が加わるため、キズの縁は不規則で皮膚の欠損を伴うこともあります。また、怪我をする部位により骨折や神経の損傷などを伴うこともあります。
Ⅱ.打撲創(挫滅創)は、どんな原因でできますか?
名前の通り打ち身(打撲)や強い力が加わることによってできることが多いです。交通事故や転倒、スポーツなどで鈍的な力が加わることでできます。

転倒し強い力が顔にかかり、挫滅創を受傷しました。
強い力によりキズの周囲にはやけどのような熱損傷も合併していました。
速やかに、洗浄し、丁寧にキズを縫い合わせることでキズ痕を目立たなくできました。

Ⅲ.怪我をした時、どうすればいいですか?
出血が多い場合は、強く押さえて、すぐに形成外科を受診してください。キズに砂利などがたくさんついてしまった場合は、余裕があれば水道水で洗い流して、速やかに形成外科を受診してください。腫脹が強い場合などはビニール袋に氷をいれたものをタオルでくるんで氷冷すると、腫脹、痛みの軽減を図ることができます。

転倒し左眼窩部を打撲されました。
幸い組織の損傷はありませんでしたが、あおあざ(皮下出血斑)が生じました。
氷冷することで、腫脹・痛みは軽減され、あおあざも10日ほどで消失しました。

Ⅳ.どのように治療しますか?
キズの状態にもよりますが、まずはキズについた砂利などの汚れを落として、できるだけきれいにキズを縫合します。その際に砂利が残ってしまうと、後々、キズあとが青黒く残り易くなります(外傷性刺青)ので、ブラシなどでこすってできるだけ取り除きます。砂利などの異物の除去は早ければ早いほど良いといわれております(受傷後8時間以内)。その後は、塗り薬による外用療法や創傷被覆材を用いた治療を行います。怪我で皮膚が一部無くなってしまっている(欠損している)場合や皮膚の一部が腐ってしまった(壊死)場合は、手術療法や局所陰圧閉鎖療法が必要になることもあります。挫滅創の場合は組織の欠損があるように見えても、縮んでいるだけのこともありますので、丁寧にキズを元の位置に戻して丁寧に縫うことが重要です。化膿したり皮膚の下で血が溜まったり(血腫)すると、キズの治りが遅くなり、キズあとが残り易くなります。早めに形成外科を受診するのがオススメです。

交通事故で受傷されました。
病院を受診された時には、血餅や異物が固着しており、ひどい受傷状態のように見えましたが、丁寧に洗浄、異物除去を行うことで、軽微なキズであることが分かります。
洗浄処置がされなかった場合には、外傷性刺青が残る可能性がありました。

文責: 大阪市立大学大学院 医学研究科形成外科学 教授 元村尚嗣大阪市立大学大学院 医学研究科形成外科学 教授 元村尚嗣

   
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